プロット

熱(ねつ)のプロット

アンダー・ドッグ(2023.8.21)

1

目を開けて少し目が慣れると、ぬるい浴槽に浸かっていたんだと気づく。

電気を消したまま浸かっているから、窓からの光が水面に映ってゆらゆら揺れて眩しい。

腕を水面から出して浴槽の端を掴むと、水が指の隙間にまとわりつく。

壁の水色のタイルの溝には赤カビが生えていて、最後に掃除したのはいつだっただろうと思う。

正面にはリコの後頭部が見える。

リコを後ろから抱いて、頭を撫でている

きしめんの、交代しよ、ジュンの坊主頭撫でさせてよ

無視して、きつく抱きしめる

「俺と一緒に居てくれるって何度も言ってくれるのは嬉しいけどさ、俺といるってことはリコの時間を奪っちゃうことになるんだよ」

「別の男と今のうちに過ごしなよ。若さは財産だよ」

父親のコペン、荷物も全然乗らない、壊れかけててオープンカーにできないどころか運転席側の窓が開かない

FIAT500乗りたいね。家賃3万のワンルームで二人で住んでんのに何言ってんのって感じだけど

そのためには大学行き始めないとね

本当、7月になったもんな。2ヶ月行ってないから、そろそろ単位やばいのかな

リコ、高卒なんだから本当、気をつけてよ。中退なんてしちゃったら、2人で路頭に迷っちゃうじゃない

リコは脚を水面から上げて壁のタイルの溝を脚先でなぞっていく

後ろからくすぐる

浴槽の縁に置いたままのアロマオイルの瓶が音を立てて落ちる

上半身を乗り出して掴み取る

割れてはいない

柔らかい肌ごと摘み取るように歯を当てる

「そんなこと言って私が他の奴のとこ行ってもいいの?」

「リコがそんなことすると思えないさ」

噛みつき返してくる

「自信たっぷりなのね、インポのくせに」

乳首を口に含んで軽く噛むと、息が漏れるような小さな声を出して下腹部を痙攣させる

「バカ」

「ねぇ、リリーに行こう」

 

2

靴が玄関に収まりきらなくて、廊下に並んでいる

散らかった部屋を出れば、空の色はもう薄くなっている

ドアを閉めて靴紐を結ぶために、前の段差に腰掛ける

坂の下には街が見える

気づけば気温は上がって日は長くなっている

季節は過ぎていくのに、リコといると時間はゆったりを流れているように感じる

いつも、何故だろうと不思議に思う

 

2

大学裏の小さなシーシャ店「リリー・シーシャ」は、僕らの行きつけになっていた

雑居ビルのコンクリートの壁は、すすけてひび割れている。建物の一階の階段を少し下った場所にあって半地下のようになっていた。

狭い店内にさらに物が積まれてて通気性も悪いものだから、梅雨の時期はいつも煙たかった。

店内

細々としたオブジェクトが印象的(宇宙飛行士)

豆電球、照明

マリブ・モリン・カリブ・ピーチツリー

むせるような香り、粒が鼻腔につくような重めの感触

コポコポ音をしながら、焚き上がっていく

「ねぇ、エマさん。俺めっちゃここ好きなんですよ」

「ジュンは、毎回言うよな」

僕らに背を向けて男にしては細身の身体で棚からフレーバーを取り出している

節のしっかりとした指にはリングが付いている

エキゾチックなキャップをいじる

アルファーヘル、デクラウドとか基本的なフレーバーもあるけれど、エマさんの一番美味しいと思うものが60種類ある。その中には現地で直接仕入れてきたものもあった。

基本的にフルーティーで甘い味わいのものが多い。

 

2

炭の入った穴の空いたカップに三日月状の穴の3つ空いた蓋を被せて、5分くらい蒸らす

3回くらい吸って味を確かめる

こまめに煙の出が悪くなってないか、フレーバーが焦げてないか確認するために吸って調整する

「はい、リコちゃん、ライチ。アズアーのね」

リコは12秒同じ強さで水の音がなる程度吸う

キツすぎて、吸い込んだ途端にむせる

「ジュンは?」

「アフザルのジンジャエールで」

「今年で二人とも28ですよね。本当、二人とも大人です」

「そんなことないよ」

エマさんが煙を吸う。煙を口へ入れすぐ口を大きく開けて吐き出す。

むせるような甘い香りが鼻腔をくすぐる

それを紛らわせるようにカウンターに手のひらをつけると冷たい

「ジュンとリコは22だっけ?」

「そうです」

「でも、あんまりお客さん多くないですよね」

エマさんは口の端だけで笑う

「カシバシさんたちくらいだもんね、ここの常連」

「私たちも常連ですよ!」一通り吸い終えたリコが笑顔でそう言った

 

3

「こんな早い時間から来てないで、どっか遊びに行きなよ」

「ここが好きだから、きてるんですよ」

「ちょっとフレーバー、上に探しに行くから2.3分待ってて」

「ねぇ、ジュン。どっか行きたいとこないの?」

「あんま、無いんだよな」

「前もそう言ってたじゃない?次まで考えとくって」

「どこでも良いけどね。いつか海行こう、海」

「海なんて行って何が楽しいのよ!」

「もう!」

「頭痛いかも」そう言いながら小さいソファに横になる

厨房の方に行って蛇口を捻って水を出す

指先に伝って冷たい

「だめだぜ、前なんてアルコールでもないのに記憶飛ばしてんだもん」

うん、と小さく言って天井を見つめている

太ももをさする

首に蚊に刺さされがある

 

4

次の日、2階のエマさんの部屋

スケートボードを渡しにきた

大きいハイビスカスが描かれているクリーム色の2万円したやつ

リコがやるからって買って、1回目の練習で頭から転んで使わなくなった

エマさんは水槽のグッピーに餌をやっている

小さい冷蔵庫の上のロンリコ

「それ新しい台ですか?」

「ああ、うん。ヨーコと他のとこも見に行った方がいいかもなって話になって。炭の焚き方だったり、フレーバーの配分だったり。まあ、たかがシーシャだけど技術も磨けると思って。3ヶ月前からヨーコが駅前のシーシャバーで働き出したのもその一環」

「あー、あそこいいですよね。人いっぱい入ってるのに雰囲気落ち着いてて」

「うちと違って外見がカフェみたいだから、入りやすいしな」

「俺の知り合いがやってんだ、あそこ。最近別店舗出そうって話もしてたな。業者から大量に買うから、安くていいんだよな」

「そうなんですね」

息を吸う

「俺、明日からまた学校行こうと思って」

「最低一週間です。ゼミでなきゃいけなくて」

「その間、リコと居てくれませんか?」

「それに俺しか知らないのってどうかと思って。」

別にいいけどさ、それならヨーコを迎えに行ってくれよ

キヨスクでバイトしてんだろう?

 

5

バイト

ハシモトがいる 社員

ひさしぶり、またすごいくまだよ。しっかり寝てる?

アイスクリームのケースを開けて涼むワルガキに手を焼く

 

5

朝に近くの喫茶店に行く

流行ってなくて人も少ない

モーニングを頼む

会計の隣にいまだにタバコの棚、灰皿、日の焼けたモスグリーンのソファ

「キスしたそうな顔してたから、手引っ叩いちゃった」笑う

「冗談だろうから、やめてくれよ。大事な人なんだ」

「どこで出会ったんだっけ?」

俺のメンタルが潰れてる時、何故か小指を無くせば世界が優しくなるって妄想に取り憑かれてたんだ。酔った勢いで外の森まで出た。まだ朝が早くて周りがやっと明るくなってきた頃だった。草むらに手のひらを置いて包丁で切ってみたけど表面の肉が多少削がれるだけで、腱まで切ろうとしたらたぶん包丁なんかじゃダメなんだろうな。

たまたま入った謎の店だった。

彼ははじめは手から血を流してる俺を見て驚いてたけど、絆創膏とかテープとか巻いて看病してくれたんだ。それでシーシャ吸いながら話してくれた

インドに行ってて、そこでフレーバーとか見つけて、今の店のために仕入れてるんだ

だから、値段は高めだけど美味しいんだよ

インドでは犬に食べられるほど自由だ、って言葉が好きなんだ

あと、2人ともきつめに作るからこれじゃなきゃ満足できなくなってきたんだよな

 

6

バイトをする

ハシモト

アメ車乗りたいよな、

ハワイへの移住を画策している

店長の小指詰めたいよなあ

店長にFランだもんなあ、と馬鹿にされたことがある

店長も似たようなもんでしょ

イラついてコーラ瓶のケースに足の小指を軽くぶつける

 

7

ヨーコと待ち合わせる

長い髪を後ろで縛っている

シャッター街

ヨーコは写真を撮る

知り合って1年くらい経ってるくせにあんまり2人きりで話すことってなかったね

エマとは、いつからつるんでんの?

私たちが付き合ったのが1年前だから、私の2倍くらい彼といるんだ

良い奴だよね?包容力っていうか安心すんだよね

それに、社交的なんだよ、半年前くらいシーシャ界隈でパーティーがあった時、みんなと楽しそうに話してたもん。あんな見た目だけど、博識だしね

だから、こっちの人たちと関係を持てたらいいのにな、っていつも思う

でも、バイだから、って知ってるか

はい、寝てる時に股間触られたことあります

うっそっ!嫌じゃなかったんだ?

流石に反応はしなかったっすけど、別にって感じでした。エマさんだから、だと思います

へー、君やっぱり変わってるね

14日でしょう?送ってもらわなくて大丈夫だから。でも、彼には一緒に帰ったって言ってほしいの

なんで?

「なんで?ってニブいわね。ネコだったから彼、ちょっと早漏なの。」

じゃあね、と彼女はこちらの返事を待たずにドアを閉めた。

 

8

乾いたコンタクトがこびりついてる

バリカンで剃ってたら、リコがお風呂から出てきた

それに気づいて僕が顔を洗ってる間に捨てる

「私はボブだから自分で切ったらやばそう」

小さい声で甘えてくる

「麗子微笑みたいになりそうだな」

「ね、」よく知ったかぶりをする

「ヨーコさん忙しいじゃない?だからいろんなとこ連れてってくれるの!」

上目ではしゃぐ

しかも、古くなったシーシャ台と炭くれたんだよ!

洗面台の端に置いておいたピアスが床に散らばる

「ねぇ、いつもみたいに噛んで。ジュンが前飼ってたワンちゃんみたいに」

俺があんまり感情を出さない分、リコの感情の上がり下がりが二人の雰囲気を決めている

 

9

数日大学とバイトをして過ごす

リコは、リリーに通っているみたいで夜居る日もあればいない日もあった

アヤとハシモトと気怠げに話す

バイト終わった後に

「なんでジュンはバイト、キヨスクにしたの?」

「トレイン・スポッティング。駅の近くに居たかったんだ」

「生き急いで、そのくせして諦めてんだ。でも、案外大人もそんなもんなんだぜ」

ライン交換しようぜ

 

10

シーシャ屋

エマ「俺たちは、アンダー・ドッグなんだ」

噛ませ犬

スポーツの試合や選挙などで相手に到底勝ち目のないチームやプレイヤー

辞めようと思ってて

いいんじゃないか

チェキをめくりながら、そう言う。彼の目は真っ直ぐ次々とめくられていく画像に向けられている。

「ねぇ、ジュン。なんでシーシャが好きなんだい」

「何も中身のないと思っていた自分から煙が出ている。自分がすごい生命体になった気分になるんです」

こっち来なよ、シーシャ作ってみようぜ

横顔、距離が近い

熱い

 

10

シンク下の棚奥のウィスキーをコーラとライムと割って飲み干す

腕が棚にぶつかって砂糖の袋がシンクの油のこびりついたままの皿の上に落ちた。

その拍子に袋が破れて皿の上にぶちまけられる

指ですくって舐めると甘い。混じりっけのないストレートな甘さ

頭が痛くて目の奥が熱い

何かを打ち明ける時、いつも下を向いている

心臓だけが床のあたりまで下がっていて、それを落ちそうな眼でぼんやりと見つめている

そんな気分になる

辞めるかもって言うと、泣き出す

そうやって出不精で、不実行だからダメなんじゃない!

噛み付けない

 

11

リコがすいません

いいよ、いいよ、いつもの事だよ

それよりお前も酔ってんじゃねぇか、酒弱いんだからさ、控えめにしたほうがいいぜ

取り敢えず、明日もバイトだろう?リコはここで寝かせてればいいよ

2人で一緒にいるって決めてから気分落ち込まなくなったんですよ。でも、時々無性に投げ出したくなる時があるんです。

ほら、こっちで横になれよ

ソファで横になる

俺まだ何にもやってないのに。

話してくださいよ、インドの話

吐かれちゃ困るぜ、

エマさんは無視して、頭を撫でる

ヨーコさんが帰ってくる

なぁ、ヨーコ、実は全部前の彼氏からの受け売りなんだ、確か写真集の言葉だっけな

実際は2日目の朝のバザールで金全部すられちまってなあ、まあそのまま帰国するわけにもいかなかったから、大使館行ってパスポートとなけなしの金もらって、ホームレス同然で過ごした。数日居て最後の日に腹減りすぎてどうしようもなくなった時に街角の店の外壁にもたれかかったんだ。そしたら、そこがシーシャ屋で窓から甘い香りがしてて。アフザルのスモークを数倍濃くしたやつ。なんだか泣けてきちゃったんだよな。そっから何回もインドには行ったけど、ほぼ観光はせずにシーシャ屋ばっかりまわってんだ。こいつに話してるといつも自分が本当にインドで経験した気分になるんだ、全く自分でも笑える。

エマってば、いつも傷つくのが嫌なのね

そうみたいだ、と言ってもまたゆっくり撫でた

 

12

ガキにアイスをあげる

あとでお金を入れればいいや、

店長に殴られる

足で蹴って威嚇する

ふくらはぎを切る

アンがひいている

ヨーコに先に帰ってます、ってラインを送って帰る

 

13

冷たい水で顔を洗ってベッドに寝転がる

唇が切れてる

リコの帰ってきた音がする

顔を埋めてくる

「やっちゃったんだけど、」

泣き出してしまう

「俺がいけなかったんだ」

キスマークをつける

吸い上げる 歯を軽く当てたり噛んだりする

甘える

「ねぇ、海に行かない?」

 

14

コンビニに寄って、水を数本買う

キーを回してアクセルを入れる

バックミラーから掛けた人形が揺れる

ねぇ、この曲、前にリリーで流れてたやつ?

そう、ベイビースフィンクス95年のアルバム

「そういえば、どうしたの?口」

「店長に殴られた」

沈黙

「歌詞はこうなんだ」

君を見ていると、何が現実かわからなくなる

でも、僕は現実を生きていかなければならないんだ、一人きりでね

愚痴を言われる

リコは子供っぽい

彼女の熱が自分にうつって運転が荒くなる

「ねぇ、ちょっとスピード落とそうよ」

「あっぶない!」

スリップしてガードレールにぶつけかかる

リコは窓を開けて、笑い出した。本当、いつぶりかっていうほどだった

「前車乗って二人で遠出したのいつだったっけな。リコがふざけて邪魔してきたから大変だったね」

 

15

生ぬるい風が吹いていて、砂はまだ熱い

渚を歩く

傷が痛む

海に行こうとする彼女を引き止めて抱き止める

彼女が振り向いて股間が硬くなってないことに気づいて泣き出す

マーチンのサンダルが砂だらけになる

「私たちが初めて会った時の話して良い?」

砂がサンダルの中で溜まっていく

「私、もうエマさんのとこ、行かないようにする」

ペットボトルの水で砂を流して、車の中に放ってあった前にいつ使ったかもわからない酸っぱい匂いのするタオルで拭いた。

 

16

2

甘い匂いが立ち込めていた

なんの匂いだろうと、くずかごのパッケージを取るとタンジアーズのフォアプレイ・オン・ザ・ピーチだった

「新しい店のやつっすよね」

「あ、そうそう」

「よく覚えてんね、」

「うちの店員になればいいのに」「まあ、俺は別に」

「駅前の店、大変じゃないですか?」

「いや、新しく学べることも多くて、今までに比べれば生産的っていうか楽しいよ。全然」

タオルで首筋の汗を拭っている

ヨーコさんに私たちもやっちゃおって言われる

痩せ型で、それに不釣り合いなくらい胸が大きいものだから、文字通り実っているという言い方が適切だった。

「君、基本的に弱音吐かないでしょう?」

「もう、どうなっても構わないって思わないですか?」「そんなの、いつも思ってる」

「私はシーシャを作ってる時、人間じゃなくてシーシャを作るためのポンプになった気分になる。そのままなっちゃえばいいのに、って思う。その時が一番楽だもの。ほら、そう思えば脳も心臓も肺を動かすためだけのただの歯車になるでしょう?何にも考える必要なくなるじゃない」

匂いを嗅ぐ

めっちゃ下半身が反応する

拒絶する

 

17

久しぶりにショッピングモールに行く

掃除用具と整理する物を置いておく

絆創膏も買う

石鹸専門店でシーシャの香りに似た石鹸を買う

「シーシャの代わりになると思って」

何も言わなくなる

屋上に出ると重たい風、夜景が綺麗

 

17

風呂に入る

前みたいな態度で居ようと努める

前に座るリコが抱き抱える腕を振り解いて石鹸を手に包んで嗅ぐ

その彼女ごと後ろから抱く

身体を密着させる

少し反応した下半身が潰れてしまえばいいと思う

 

18

バイトに行く

悪ガキにアイスを買ってあげる

アイスをクーラーから出しながら、ハシモトに言う

海に行ってから気が楽になった

 

17

新品のシーシャのボトルが狭い廊下に並んでいる

ミツオカのバディ、買いたいよな

俺、ヨーコさんに誘われました

やりませんでしたけど

そうか、

あのシーシャバーと統合するんだ、駅前のところが2号店出そうって言ってて

店員が足りないんだ

さみしい顔すんなよ

なあ、俺の店で働かないか、家賃払えなかったらここに住めばいいし大学だって無理なく卒業できる

4人でやり直さないか

リコに言ったんですか

いや、まだ

キスをする

大きい手で顎を押さえつけてくる

半分くらいまで勃起してくる。唇を離して首筋の匂いを嗅ぐと落ち着いて何度も嗅いでしまう。汗と甘い匂いが混じった独特の匂い

いいんですか、

いいよ、お礼は前のスケートボードでいいから

帰ろうとして、ドアを開ける

ゆっくり開けたから余計に軋む音が響く

これ、持って帰っていいですか?

黄ばんだビニール袋に古いシーシャ一式とフレーバーを持って帰る

 

18

家に帰ってくると変に煙たかった。リコはシーシャを吸っていた

見様見真似で機材も揃ってないものだから、炭が熱くなりすぎていて強烈な甘い匂いをしていた

荷物を放って、クレイトップにペットボトルのサイダーをかける

後ろから抱きしめる

リコが咳き込む

「私、エマさんがいないとダメみたい」

「窓しめっぱでシーシャやって中毒で死んじゃえば良いんだよ、わたしたち」

硬くなっていることに気づくと身体に押し付ける

陰毛に沿って陰部に触れると指にべたべたとまとわりつくくらい濡れている

ゴムをつけてゆっくり入れる

後ろから彼女の腰に触れると汗ばんでいる

リコは身預けて腰を揺らす

何も考えずに、中で動き回る

身体越しに熱が伝わる

脚を絡ませて(まだ傷口が塞がってなくて痛いけれど)、出す

あえぎ声をあげていても手を強く握り返して受け止めてくれる

「エマさんの店で働かない? また吸おうよ、4人で」

窓の外を見ると空は白くなり始めている

目がチカチカして彼女のうなじに顔を埋める

その温かさに砂浜の熱さを思い出す

 

 

 

理想の青春像を過ごすこと、若くして成功することが若者にとって一つの勝負だとすれば、それをやる前から諦めて避けてしまっているネガティブ思考の若者はどうやって脱却すればいいのでしょうか。

僕が思うに、小さな成功体験(海に行くこと)と絶対的な存在への寄生(シーシャ店員になること)が大きな解決策だと思います。

それを形にしてみました。

 

全ての、生き急いでしまうアンダー・ドッグ思考の若者へ

 

将来への不安の解消

なぜ強く感じるか

アンダードッグだからきっと将来もこのままダメだと思ってしまう

 

 

・アンダー・ドッグからの脱却不安の解消

・ヘビとピアス

 オジロザウルス アンディモリ

・ウミさん サノさん ミサキさん

・海

・余白を意識(身長)

 

ジュン坊主 ピアス 生き急いでしまう

リコ ボブ 不安定 子供っぽい

エマ 軽くパーマのかかった長髪

ヨーコ長髪ポニー

 

・ウミさん感を出す

・オブジェクトと雰囲気を作る

・性的な記述を学ぶ

・セリフ、ファッションの統一

 

ヨーコに言いよる

「別にいいんです、もう」